2019年10月27日日曜日

もうひとりの人 A másik ember 1988

コーシャ・フェレンツ監督、ハンガリー映画、マフィルム・オブジェクティーブ・フィルムシュトゥーディオー製作、219分。
第二次世界大戦とハンガリー動乱で、親子が同じような悲劇に会うという長篇映画。国立フィルムアーカイブでは真ん中に10分の休憩をおき上映された。

第二次世界大戦末期、ハンガリーはドイツと組んでソ連相手の戦争をしていた。もう敗戦間近で廃墟の中、男が部下と共に脱走兵と間違われ捕えられる。しょうもない将校の命令で死刑にされそうになる。別の将校は二人を助け、持論を展開し偉そうなことを言うが情け容赦なく人殺しをする。それを見て男はその将校を穴に落とし、逃げる。
田舎にある男の実家。男の父親は軍に捕えられていた。男の妻と少年の息子がいる。あの部下がやってくる。軍が男を捜していると告げる。銃を置いていく。男は帰って来て息子に銃に触るなと命じる。元部下は軍の手先となって来たのだと言う。戦争による殺戮を嫌悪していた男は丸腰のまま、軍が待っている森へ歩いていく。映画の場面には出ないがここで殺された。

第二部は1956年のハンガリー動乱時期。大学生になった男の息子は、ソ連の弾圧に仲間が立ち上がっているのに銃を取ろうとしない。恋人も非常時にと説教するが、心を変えない息子は仲間から裏切り者扱いされる。息子を追ってきた恋人が、どこからかの銃撃によって死亡する。

その後、誰がどこから撃ってきたのかを捜しに、息子は教会の塔に登る。そこにいた秘密警察の者に脅され服を取り換える(秘密警察は嫌われていて危険だったからである)。二人で下に降りたら秘密警察の者は車から撃たれた。息子は彼を近くの家に運んでいき、手当を頼む。
後に仲間たちと共にやはり恋人殺害現場近くにいると銃撃があり、仲間は斃れる。息子もそれらしき方へ歩いていくが銃声がする。場面には出ないがここで撃たれたと分かる。
最後は実家の母親に親戚の者が、息子の死を暗示し、母親は分かって悲鳴を出そうとするところ。

非武装主義を貫いたため、親子共々非業の死を遂げた。戦争で無抵抗主義では死を覚悟するしかない。戦争を起こさない努力が一番大切である。

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