2016年12月9日金曜日

國分功一郎『暇と退屈の倫理学 増補新版』太田出版(2015)



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著者は哲学専攻の学者。この著者による『近代政治哲学:自然・主権・行政』 (ちくま新書)を読んで、政治学者の書いたものと異なる説明に感心した。『哲学の先生と人生の話をしよう』(朝日新聞)も面白く読めた。この著者の主著とも言うべき本書は期待をもって読み始めた。
しかしながら・・・正直に感想を言えば、この著者に対する関心が覚めたというのが本音である。
ともかく冗長すぎる。もっと簡潔に書いて欲しい。丁寧に書いているつもりなのであろう。こういう書き方を好む人もいるだろう。

内容は有名な先人が退屈について述べたことを元に、批判的に検討していくというものである。パスカル、ラッセル、ヴェブレン、モリス、ルソー、マルクス、ボードリヤールなどが挙げられている。また歴史的にみて定住によって退屈が始まったと述べてある。

本の後半はハイデガーの退屈論を紹介検討しており、この部分が最も量的に多い。ハイデガーによれば退屈は第一形式、第二形式、第三形式に分かれる。第三形式の説明のところで、ハイデガーの解説本に必ず出てくる、ユクスキュルの環世界論が説明されている。ユクスキュルは生物学者なので、彼が例に出すミツバチだのダニだのの生物の話が詳しくここで解説される。具体的な話なので初めて接する人にはそれだけでも面白く読めるだろう。しかし本書の目的である退屈論の話に戻ってくると、著者は第二形式が重要だと言い出す。第三形式の具体的事例が長かったため、一体第二形式とは何だったか、思い出すため本の前の方を確認しなければいけなかった。
 
女性のお喋りを聞かされる時に男が感じる「一体何が言いたいんだ!」と同じ気分になってきた。

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