2021年7月24日土曜日

ウィンナー・ワルツ Waltzes from Vienna 1934

ヒッチコック監督、英、81分。

ワルツ王ヨハン・シュトラウスがいかにして『美しき青きドナウ』を作曲したかを自由に描く映画。史実とはかけ離れている。ウィーンの街を駆ける消防自動車、行き先はレストラン。その二階でシュトラウスがそこの娘に音楽を教えていた。相思の間柄である。シュトラウスは父の率いる楽団で演奏を担当している。作曲家志望だが、レストラン(パン屋)の娘と結婚するには、パン屋を継ぎ職人になる必要がある。パン作りの実際を見て曲想が浮かぶ。『美しき青きドナウ』の旋律は近くにいた伯爵夫人にも聞こえ、シュトラウスを励まし楽譜を出版させようとする。父親のシュトラウスは頑固で自分が優れた音楽家と認められているので、息子を全く評価していない。パン屋の娘と伯爵夫人の間でシュトラウスは悩む。伯爵夫人はシュトラウスの父親を演奏会に遅らせ、シュトラウスに指揮の機会を作る。大成功となる。シュトラウスはパン屋の娘に職人になると約束しているので、娘に理解してもらいたい。伯爵夫人はシュトラウスの後を追う。シュトラウスの家で伯爵夫人といるときに、伯爵がやって来た。見つかったらことである。裏口から逃げる。そこでシュトラウスとパン屋の娘を見つけた伯爵は夫人に会い帰る。シュトラウスとパン屋の娘は結ばれるであろう。

いわゆるヒッチコックらしさは全くない。良くある恋愛劇である。ヒッチコックが好んで作った作品ではない。ヒッチコックの作品ということで残っているのか、それを抜きにしても佳作と評価できるのか。人により異なるであろう。

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