白い酋長 Lo Sceicco bianco 1952

フェリーニ監督、伊、82分、白黒映画。

ローマへ新婚旅行に来た夫婦、夫は新婦を伯父その他親戚に見せ、サン・ピエトロで教皇に謁見する予定になっている。

しかし新妻はかつてより憧れていた、映画の白い酋長役の俳優に会いたく、夫が寝ている間にホテルから抜け出す。会ってすぐ帰るつもりだった。しかしその俳優はおらず、すぐ近くにいるからトラックに乗って会いに行けと言われる。ところがかなり離れた海岸で撮影の最中だった。白い酋長は妻を見て可愛いので気に入り、飛び入りの役まで妻はやることになった。

その間、ホテルで夫は妻の失踪に気づく。捜しに行くが見つからない。食事等に誘いに来た伯父夫婦などに妻は病気だと言い訳をする。オペラ鑑賞中に抜け出し、警察に行く。自分の身内は高官だから名を出さないでくれと頼み、妻の捜索を頼む。その警察から夫は抜け出す。

憧れの俳優に会えて、また向こうも好意を持ってくれたので妻は喜ぶ。俳優はボートを出し、二人で沖に出る。口説かれるので嫌がる妻、しかも倍優にも妻がいて恐妻家と分かる。俳優がいなくなって騒いでいた撮影陣はようやく帰ってきた俳優に文句をいう。更に俳優の妻がいて、その妻に女に誘惑されたと言い訳する。俳優の妻は新妻に怒る。

撮影陣は帰り、妻は何とか一人で帰ろうとする。夫は何とかして妻の失踪を親戚から隠そうと躍起になっていた。見つからないので夜の広場でしょげる。妻はその間、ローマへ戻ってきたものの、自分の行為が許されるはずもなく、川に入水しようとしていた。助けられる。

明くる日に夫を迎えに来た伯父夫婦等にこれまでと真相を話そうとしたら電話が鳴る。妻が見つかったとの連絡。伯父等に先にサン・ピエトロへ行ってくれ、自分たちは後から駆けつけると言う。保護されていた場所に夫は行き、早く衣装を変えろと命令する。

サン・ピエトロの前で妻と一緒に叔父夫婦等と会う。妻はこれが伯父等との初対面。寺院に向かう途中、妻は夫にあなたこそ自分の白い酋長だと言う。