2020年6月14日日曜日

憧れのハワイ航路 昭和25年

斎藤寅次郎監督、新東宝、78分。
同名の歌謡曲が昭和23年に大ヒットしたので、同曲の歌手岡晴夫を主人公としてつくられた映画。他に少女時代の美空ひばりが出演し、歌を披露している。

主人公の岡の父親はハワイにいて岡は父を慕っている。岡が花売りの娘、美空を助けたことから美空は岡の家に来る。岡は同室の古川緑波と共に花菱アチャコ、清川玉枝の夫婦が営む店の2階に住んでいた。その清川が美空の本当の母親と分かる。清川は感激するが、美空の姉は自分たちを捨てた母親を許せない。
岡は美空の姉を好きになる。姉は日本人形を作り、それを輸出業者に納めている。ハワイにも人形が輸出されると聞き、美空は人形の裏に岡の住所を書く。岡がハワイにいる父に会いたいと知っていたからだ。

古川を慕うパン屋の娘がいて、建築家の古川に安いパンを売っている。パンで懸賞の建築案を修正していた。娘が気を利かせてバターをパンに入れたので、建築図案はダメになる。古川は怒るが娘の誠意が分かり好きになる。また美空の姉も清川への意地をやめ、親子仲良くなる。
ハワイの、岡の父親から便りが来る。それで岡はハワイに向けて立つ。美空の姉を好いていたが他にいい縁談があるのであきらめていた。

いかにも古い時代の映画という感じである。ハワイの映像は途中に観光用と思われるフィルムが挿入されるだけで、日本を舞台にした映画である。ハワイなど外国へ旅行するなど、日本人にとって全く夢だった時代の映画である。同名の曲がヒットしたのもハワイがまさに夢だったからであろう。主人公を務めた岡晴夫、当時は人気が高かったというが、戦後間もない時代の男という感じで、これも時代を感じさせる。

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