2014年9月24日水曜日

雇用、利子および貨幣の一般理論

言わずと知れたケインズが1936年に出版したマクロ経済学の古典。ヒックスの『価値と資本』とならんで経済学の古典となっている。次いでに言うと経済学の古典と聞かれ『国富論』と『資本論』なら素人でも挙げる。『一般理論』と『価値と資本』を挙げるのは経済学を勉強した人。もちろん『国富論』『資本論』が偉大な古典であることはかわりない。


 それまでいわゆるミクロ経済学的な発想で現実経済を解釈していた、ケインズが古典派と呼んだ考えに対し挑戦した、マクロ経済学の嚆矢となった著作である。貨幣が現実の経済に与える影響を明らかにした。流動性選好という人々が貨幣を保有する動機、また限界効率という資本収益率と利子率との関係で決定する投資、その投資が乗数として経済に与える影響などマクロ経済を分析する概念を書いている。

 古典とは名ばかり有名でそれを読んだ人がいない著作らしいが、『一般理論』はその資格を完全に備えている。今回初めて通読したのだが、全く何が書いてあるか不明、理解できない部分が多すぎる。ただ字面だけ追っていて理解できないのなら読んだ意味がない。宇沢弘文の『ケインズ「一般理論」を読む』(岩波、1984年)を併読し、一章読む毎に宇沢の本の説明を読んだ。基本的に岩波文庫の『一般理論』(間宮訳)を読んだのだが、後半は山形浩生訳の講談社学術文庫版も章毎に岩波文庫、宇沢解説本の後に読むことにした。
良く『一般理論』は当時の若い世代の経済学者に熱狂的に受け入れられたと書いてあるが、当時の学者連中はきちんと理解できたのだろうか。

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