2014年9月21日日曜日

大地(ドヴジェンコ)

ウクライナのドヴジェンコ監督による1930年の無声映画。ソ連初期の農民の姿を描いている。


筋は次のようである。
映画は生涯農民として送った老人が皆に看取られながら大地の上で亡くなる場面から始まる。その孫の主人公は新しい農業を推進するためトラクターを導入し張り切っている。しかしながら富農は良く思わない。主人公は恋人と逢引きをした後夜道を踊りながら帰っていく。突然倒れる。誰かが発砲したのだ。父親は息子の突然の死に衝撃を受け怒り狂う。神はもういないと叫びキリスト教の葬儀を拒み、新しいやり方で息子を弔おうとする。葬列はまるでデモ行進のように民衆が集まってくる。その中である富農が叫ぶ。自分が殺したのだと。誰も関心を示さない。

ドヴジェンコ監督の代表作とされている作品であり、確かに自然の描写は美しいものの、現代からみてややわかりにくいところがある。きちんと見ていないと筋がつかみにくいかもしれない。富農を批判し小農民の努力を賛歌するソ連体制の宣伝効果など、現在ではまるで遠い世界の出来事になっているし。

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