2014年9月15日月曜日

国境の町

バルネット監督の1933年の作品。発声映画である。この監督の最も有名な映画とか。
自分としてはこれまで見た中ではそれほど優れた作品かなという気がした。見ていて思い出した。この映画以前見たことがある。ただ大昔なのでほとんど忘れてしまっていた。少女が捕虜の兵士とベンチで心通わすあたりは記憶にある。


 おおよその話の筋は次の通り。

第一次世界大戦、すなわち革命勃発時のロシヤの国境の町が舞台。町の産業は靴の製造。女主人公の父は同居しているドイツ人とチェスをするのが楽しみ。しかし戦争が始まり、ドイツ人は母国へ帰ってしまう。兵が収集され戦争に駆り出される。愛国者も左翼運動家も。ドイツの捕虜たちが収容所に収容しきれず町で昼間は働くことになる。その中の一人の若いドイツ兵士と女主人公はお互い好意を持つようになる。しかし町人は良く思わない。迫害しようとするのを助けたのは一人の靴職人。そこで捕虜は自国でも靴作りだったので手伝う。ところがその靴職人の息子が戦死したとの知らせが来る。職人は捕虜を追い出してしまう。女主人公も父から捕虜との交際は一切禁止される

 この映画をインターネットで調べると当時のソ連の状況から共産主義の宣伝だの色々制作にまつわるイデオロギー的な話が書いてある。しかしもう作られてから80年以上たっておりそもそもソ連自体もなくなっている。純粋に映画として鑑賞してもいいのではないか。何らかのメッセージがあるとすれば反戦映画である。当時だってそう見た人が結構いると思う。

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