2020年7月11日土曜日

別離 Intermezzio 1939

グレゴリー・ラトフ監督、米、69分、レスリー・ハワード主演。イングリッド・バーグマンが新人として出演者一覧に出てくる。

有名なヴァイオリン奏者のハワードが米の演奏旅行を終え、スウェーデンの自宅に帰るところから始まる。幼い娘のピアノの先生がバーグマンである。娘の誕生日に請われてピアノを演奏するバーグマンの才能に驚く。才能だけでなく、女として好きになる。その後二人は人目を忍んで会う仲になる。これではいけないと悟ったバーグマンは別れを告げる。しかし、ハワードはその後を追い、二人は離れない仲となって、世界中演奏旅行をする。
相思の仲で夢中のバーグマンに奨学金の手紙が来る。ハワードの顔を見てそれが切り出せなくなる。バーグマンの師でハワードの友人の音楽家が来る。喜ぶハワード。友人は離婚届も持って来る。しかしそれに署名はできない。まだ家族に未練があるからだ。更にハワードはその地の若い娘とも仲が良くなる。

バーグマンは師と話しているうちに、自分はハワードにとって間奏曲に過ぎない。彼には家族があると言う。間奏曲は映画の原題で、またハワードが作曲した曲でもあり、映画中何度か演奏される。バーグマンは去る。
ハワードは故郷に帰り、娘の学校に行く。車の中から手を振り、駆け付けようとした娘は車にはねられる。娘の治療が続く。最後には治ると分かる。妻とハワードは抱擁する。

邦題は、バーグマンの悲恋に中心を置いたように見えるが、それよりハワードという男が家族の大切に目覚める、という映画である。バーグマンはその材料に使われるだけである。
戦前の映画で、男優位の社会であるからこういう映画が作られたのであろうと思ってしまう。現代の感覚からいったらハワードはとうしもない自分勝手な男にしか見えない。

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