2019年5月7日火曜日

北陸代理戦争 昭和52年

深作欣二監督、東映、98分、総天然色。
福井を舞台にした仁義なき戦いである。仁義なき戦いという名を冠せず、主役が菅原文太でなく松方弘樹である。
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福井のやくざ同士の争い、また福井へ大阪のやくざが乗りこんで来る、その大阪方との戦いが主題である。松方の親分の西村晃は、ずるくて臆病な男、仁義なき戦いでの金子信雄に相当する。松方の叔父貴分がハナ肇である。一途な松方に対し自分の地位をなんとか築こうとし、松方の情人の野川由美子も奪ってしまう。ハナは松方を牽制するため大阪のやくざと手を組む。大阪勢は北陸をわがものとする気であったので乗りこんで来る。

松方が一旦恭順なように見せかけ、大阪やくざの子分になる。しかし最後は啖呵を切って、さかずきより血の方が濃い(土地への愛)と怒鳴る。松方の新しい情人となった野川の妹、高橋洋子の激しい生き方は心に残る。ハナの演技もさすがである。
首だけ出し身体は地面に埋めて車で飛ばす場面は北野武のアウトレイジでも使っていた。

本作はこの映画のモデルとなった人物が殺され、という挿話が必ず語られるが、そんな話をする必要もなく映画自体が面白い。
これも再見であるが、正直仁義なき戦いシリーズより面白いと思った。

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