2018年11月10日土曜日

蜘蛛の街 昭和25年

鈴木英夫監督、大映東京、77分、白黒映画。宇野重吉、中北千枝子出演。

雨の中、参考人を乗せた警察の車は妨害に会い、その参考人は攫われる。
アパートに妻、息子と住む宇野。失職中で、サンドイッチマンをすることになる。その宇野を見て声をかけ、より高額の仕事を提供する男たちがいた。
その一味はあの参考人を誘拐した連中であった。宇野が良く似ていたからである。誘拐した男を殺し、アリバイ作りのため、宇野に似た格好させて川沿いを歩かせる。

後に宇野も自分がやらされた事情を知る。宇野に一味は監視をつける。遊園地(多摩川園)へ家族で行っている最中も監視を怠らない。帰りの土手でも後をつけてくる。
宇野は中北に事情を説明する。アパートで男たちがやって来て、指令で宇野を消そうとする。宇野だけでなく、妻子も危機に陥る。息詰まる逃走、追っかけがあり、悪党どもは捕まる。

似たような男を代わりを歩かせるなど、前年の下山事件での話題を使っている。戦後の犯罪映画のうち、初の心理的サスペンスとして評価されているそうだ。また美術監督木村威夫特集の上映であったが、アパートも凡てセットという。
歴史的な映画であり、意義を知らずただ観ているとよくわからないところもあって、後の映画を観慣れた目にはあまり高く評価できないかもしれない。

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