2018年2月8日木曜日

ここに生きる 昭和37年



望月優子監督、全日本自由労働組合の委託による製作。
当時の労働者たちの生き様を記録映画風に描く。フィルムセンターの「発掘された映画たち2018」特集の一として上映された。

筑豊地方、閉鎖された炭田で働いていた労働者たちが住んでいた家、荒れ果て廃墟になっている。東京の若い女性。よるは女給、昼は洋裁学校、狭い家に家族で暮らす。自分は中学校もろくに行けなかったが、弟は上の学校へやりたい。母は「貧乏のない国があれば行きたい」が口癖。他にも部落出身者など、貧しい人々の暮らしが描かれる。このように社会の底辺で働いていた人たち、当時としては決して少数派ではない人々を描く。

監督も望月優子だし労働組合の委託の作品であるから、当然ながら左翼的な観点からの映画である。またこのような視点が当時は多数派ではなかったか。

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