2021年5月31日月曜日

非常線の女 昭和8年

小津安二郎監督、松竹、100分、無声映画。

主人公の田中絹代は、会社の社長のどら息子から盛んに誘われている。夜の田中は全く別人で、不良(岡譲二)の恋人として、チンピラ仲間の姉御のような存在であった。その岡を頼んで仲間にしてほしいと来たのが青年の三井秀夫である。粋がっている三井にはレコード店に勤める姉(水久保澄子)がいた。岡は清楚な水久保に惹かれる。それを知った田中はやきもきする。水久保は弟が不良化しないよう、兄事している岡に頼む。岡は三井を諫める。田中は水久保の真似をして岡の気を引こうとするが、馬鹿にされるだけである。

三井が使い込んだ金を取り返すべく、岡と田中はどら息子を銃で脅し金をせしめる。水久保、三井宅に金を届けてから岡と田中は逃げる。しかし警察の非常線がはられ、もう逃げられそうにない。田中は2,3年の辛抱でまた会えるから自首しようと岡を説得するが、聞かない。一人で逃げようとする岡を田中は拳銃で撃ち、脚に負傷をおわせる。警察が来て二人を逮捕する。二人は抱き合ってまた会える日を期待する。

戦前のアメリカ映画の影響の強い小津の映画で、全く洋装、洋風の部屋ばかり出てくる。

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