2020年10月31日土曜日

大村大次郎『お金の流れでわかる世界の歴史』KADOKAWA 2015

 


古代から20世紀まで世界の歴史の推移を経済的な観点から説明する。古代のエジプトやローマの盛衰に徴税が果たした役割は面白い。ユダヤ人の金融での活躍、これは有名だろう。中国、イスラムの寄与の金融発達への寄与。スペイン、ポルトガル覇権時代経済的側面、英のエリザベス女王時代は奴隷貿易で儲けた等。ナポレオンの興亡も徴兵制による節約など金銭的な要因が大きかったと説く。イギリスの隆盛を英欄銀行の役割などの他、アヘン戦争などその汚い面から描く。ユダヤ人金融資本家ロスチャイルド家に一章あてている。その後、日本は明治以降戦前まで高度成長をしていたとか、第一次、第二次世界大戦の要因等、経済面からの説明がある。米の他、ソ連など共産主義国家の興亡がある。

時々、感情的な言葉が入る。かわいそうとか。全体として昔の時代の記述ほど面白い。20世紀以降、例えばソ連がなぜ滅んだかなど、読者は別の説明をしたくなるかもしれない。

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