2020年10月4日日曜日

早春 昭和31年

 小津安二郎監督、松竹、144分、白黒映画。

池部良と淡島千景が夫婦、蒲田に住み、池部は丸ビルにある会社に通うサラリーマンである。二人の間には子供があったが病で亡くしている。池部は通勤電車では同寮と一緒で、その中の一人が岸恵子扮する若い独身の娘である。映画の話らしい話は、池部と岸が関係を持つ。会社の同僚で噂になるだけでなく、妻の淡島も気づく。池部に岡山の山中にある現場への転勤話が出る。淡島は夫の不実のせいで、うちを出ていく。転勤も池部が一人で行く。後から淡島は母親から諭された等があり、そこへ行く。池部とまた一緒になった淡島は2,3年なんてすぐだと言う。

小津の映画では東京からの都落ちが何回か出てくる。正直サラリーマンであれば東京、本社にいたい。また池部と岸の仲に気づいた同僚たちは岸を呼び、あてこすりを盛んに言う。岸は怒る。当時のサラリーマンの下種な根性が出ている。今では内心はともかく、このように嫌味を大っぴらに言えない。性的嫌がらせで直ちに処分の対象になる。

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