2019年8月4日日曜日

ダグラス・マレー『西洋の自死』 The Strange death of Europe 2007

著者はイギリスのジャーナリストで、内容は移民によって浸食されつつあるヨーロッパの現状の説明と著者の意見表明である。

ニュース等でお馴染みの、移民が欧州に押し寄せている現状、これを著者は政治家等、支配的な層の意向であり、一般の国民はそう思っていないと言う。人道主義的な発想からは難民を救済すべきであろう。しかし実際に移民があまりに多くなり、それだけでなく犯罪を多発させている。これでは国民が嫌になり移民排斥の動きが出ても不思議でない。しかし移民受け入れに反対すると人種差別主義者と攻撃され、政治家は避けている。また実際に移民の受入を問題ないと思っている人もいる。

著者は欧州人の発想や感覚を述べている。罪悪感が強い、精神的に疲れているなどは欧州人でない我々には目新しい。
著者に言わせると回教徒は、欧州を攻撃する、破壊させようする連中である。もちろん多くの回教徒はそんな者でないのだろうが、目の前で回教徒から成る移民がテロを繰り返していると、こういう発想になってしまうかもしれない。
いづれにせよ、今後の欧州は大きく変化するだろう。回教徒の占める割合は増大していく。従来の欧州は死んでしまう。

現在グローバル化の時代と言われるが、外国人居住者の割合が今までになく高まるのが、その一つの現れである。日本でも移民の増加を認める法律が成立し、ほっておけば欧州の後を追いかけるのだろう。移民居住の阻止、これができたら本当に望ましい。低開発国への援助は移民の受け入れだけでない。資金や技術の援助でその国が発展するよう助けるのが本道である。
町田敦夫訳、東洋経済新報社、2018

0 件のコメント:

コメントを投稿