2018年8月13日月曜日

サファイア Sapphire 1959

イギリス映画、ディアデン監督、91分、総天然色、犯罪映画。
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公園で若い女性の死体が発見される。サファイアという名の大学生だった。彼女の婚約者の大学生が事情聴取される。被害者の兄が上京した。警察が驚いたのは黒人だったのである。両親が白人と黒人だったので、子供には夫々の肌が現れたのである。

被害者の婚約者の家庭を警察が聴取する。息子の婚約者であった被害者が、混血と知っていたかと聞くと、肯定の返事である。被害者が妊娠していたとわかる。婚約者も怪しい。奨学金で海外へ行く前であり、邪魔になったのではないか。

警察の事情調べで黒人に対する一般の市民の差別感、嫌悪感が示される。

調べていくうちに、被害者が付き合っていた黒人が浮かび上がる。その男に事件当日のアリバイを尋ねてもはっきりしない。この線も追う。

最後に真相が明らかになる。犯人については若干の意外性はある。

さて犯人捜しの謎解きよりも、この映画の価値は、当時のイギリス人の黒人への偏見であろう。アメリカは有名だが、ヨーロッパの偏見を描いた映画はあまり知らない。その点価値があるし、当時のイギリス事情、例えばパトカーがこうであったのかと知った。

きょうだいなのに、一方は黒人、他方は白人といえばカサヴェテスの『アメリカの影』(1960)がある。ほぼ同時期に作られた映画でどちらかがもう一方の影響を受けた、というわけでもなかろう。

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