2018年8月18日土曜日

無法一代 昭和32年

滝沢英輔監督、日活、101分、白黒映画。
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明治末期、京都伏見で遊郭を始めた三橋達也、新珠三千代夫婦を描く。

貧乏人に生まれ日露戦役で屈辱的な経験をしてきた三橋は、何としてでも金儲けしたい、偉くなりたいとの執念に燃える。そのため借家で遊郭を始める。
3人ばかりの娼妓で遊郭は始まる。その一人が蘆川いづみで気が弱く、また早々にやくざの男と逃げ出した女もいる。そのやくざ一家に三橋は怒鳴りこみに行く。

売春廃絶の運動をする救世軍。遊郭の組合とやくざはその一人に暴行を働く。警察が来て犯人を捜していると、三橋は自分だと名乗りでる。「男を上げた」わけであるが、三橋の留守中、新珠は夫の言いつけに従い、鬼になる、というわけで故郷へ女を買いに行く。その資金はあのやくざの親分に頼む。新珠の身体を抵当にして。

三橋は出所してから、いい気になっている。蘆川いづみは妊娠するものの、相手からつれなくされ、川に身投げする。
新珠は自分も客を取ると言い出す。またやくざの親分との経緯を話す。三橋を怒って叩く。新珠はお腹の子を殺す気と言う。彼女は舟で蘆川の死んだ場所へ供養に行く。三橋は金儲けの意を新たにして叫ぶ。

遊郭の非人間性を糾弾する映画である。映画の最後に今でも赤線となって残っているとの字幕が出る。社会の悪を映画で描き、改善を訴えるといった時代の産物である。

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