2018年1月29日月曜日

鎌田浩毅『地学ノススメ』講談社ブルーバックス 2017



 地学ノススメ 「日本列島のいま」を知るために (ブルーバックス)
高校で地学に興味を持つ者がどのくらい、いるのかわらない。理系教科の中ではあまり主要な科目でなかった記憶がある。しかし地震が多い我国ではその対策を考えていく上でも、地球の構造の理解は必要な知識であろう。

この本によれば、高校で習う科目でも地学は他の理系教科と異なり、21世紀になってわかった事柄が教科書に載っているという。それだけ最近の発展が著しい分野である。

この本は身近な、地球が丸いとわかった歴史から書き始める。確かに実感に従っている限り自分たちが立っている大地が丸いとは考えられない。
次に地球の歴史の説明。地層と化石から測る。
地球の変化は、徐々に変化し過去も未来も同じように変わるとする斉一説と、突発的な天変地異によって変化する激変説との2説がある。両者の論争は続き最近では激変説が復活しつつあるそうである。

ウェゲナーの大陸移動説は、認められるまで結構時間がかかったようだ。地球の内部構造、マグマの生成について。
プレートテクトニクスなど、地球の表面及び内部の移動が説明される。
過去数回怒った生物の大絶滅。古生代ペルム紀末の生物が95%死滅した、最大の大量絶滅であった。

日本列島の地学以下では、非常に実際的な議論になってくる。近い将来に起こる大震災への警告である。日本の地震の多さは周知のとおり。東北地震は千年に一度の大地震であった。その後の熊本地震を勘案すると、20年も経つうちに太平洋岸で大規模な震災が起こっておかしくない。改めて地震対策の必要性がわかる本である。

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