2023年9月18日月曜日

エラリイ・クイーン『災厄の町』 Calamity town 1942

エラリー・クイーンがライツヴィルという田舎町にやって来るところから小説は始まる。時は1940年、欧州で戦争しており町は景気がよい。ここでクリーンは旧家のそばにある家を借りる。その旧家も借りた家もいわくがあった。

家には三人の娘がいる。一番上は旅役者と駆け落ちし、後に帰って来た出戻り。2番目の娘は結婚したい男がいて両親は気乗りでなかったが、認め家まで建ててやる。ところが新郎は結婚式の夜、失踪してしまった。家も花嫁本人も面目丸つぶれである。末娘は未婚であり、クリーンが来てから仲良くなる。またクイーンは偽名を使うものの、作家と名乗ったので一家からも歓迎される。クイーンが借りている家はその次女が結婚してから使うため両親が建てたのだった。

その失踪した次女の夫が帰ってくる。改めて次女と夫は暮らすようになり、クイーンは一家の家の方へ引っ越す。ところが次女夫婦は喧嘩が絶えない。また夫の姉と称する女がやって来る。ある日、次女の部屋から夫が書いたと思われる殺人予告の手紙が3通見つかる。妻が病気になり、最後は殺されるというのである。これをクイーンと末娘の2人が見つけ、内緒にしておいた。その手紙に沿った災難が妻である次女に降りかかってくる。最後は新年のパーティの夜、妻が飲んだ飲料に毒が入っており、それを妻から奪って飲んだ夫の姉が亡くなる。

毒が入っていたので殺人となり捜査が始まる。容疑者は夫で何も言わない。裁判が始まる。判決後、夫は脱獄を図る。その後事故死したと分かる。クイーンは、しばらくして後、真相を末娘とその恋人である検事に語る。(越前敏弥訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2014年)

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