2023年9月10日日曜日

遠藤周作『深い河』講談社文庫 1993

何人かの主要人物がいる。初めは妻を病気で亡くす中年男。亡くした後、いつまでもその妻を忘れられず、妻の生まれ変わりがいるなら会いたいと思っている。若い女はかつてキリスト教系の大学の学生だった。そこで不器用な、宗教にのめり込んでいた男がいて、周りからからかわれていた。女もその男を馬鹿にしたが、関係を持つ。後に女は結婚するが離婚する。相手はエリートのようだが車とゴルフにしか関心のない俗物であった。

女はあの不器用な男が神父になるべくフランスで修行中だと聞く。フランスに新婚旅行に行った時、わざわざその男に会いに行く。男は神父らから、正しいキリスト教を理解していないと非難されていると言う。このほか戦時中にビルマで人肉食の体験をした元兵士の男が出てくる。今でも気に病んでいる。

女はインドに旅行に行く。団体旅行である。妻を亡くした男は生まれ変わりがそこにいるという情報を得ていた。戦時中の不幸体験から抜け出させない元兵士もいる。俗物を絵に描いたような新婚夫婦がいて、如何に日本人が下らぬ人種かを体現している。ガンジス河でのヒンズー教徒の沐浴が出てくる。題名の元であろう。あの不器用な男はここで死体を運搬する手伝いをしていた。新婚の俗物の好奇心の犠牲になって死ぬようだ。

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