2022年6月27日月曜日

佐藤優『ドストエフスキー入門』新潮文庫 令和3年

評論家の佐藤優がドストエフスキーの後期5長編を論じた書である。書名にはドストエフスキー入門とあるが、入門書ではない。難しい内容だとか難解な書き方をしているという意味では全くない。本書は著者が行なった講義の活字化で、聴衆にと話しかける、ですます体で個々の文は容易に理解であきる。

入門であれば夫々の長篇の概要とか狙いを書くだろう。それがドストエフスキー自身の生涯については、はじめにの所で説明しているものの、長篇そのものは既に読んであると前提しての解説である。どのあたりが重要であるか、また漫然と読んでいても現代日本人には意味がとれないところの説明である。特にキリスト教に関する部分である。
よくドストエフスキー理解にはキリスト教を知らないといけないとは書いてあるが、ドストエフスキーのキリスト教要素をどう理解すればよいか分からない。それに対し本書はその疑問に答える例である。著者は神学が専門でロシアに78か月暮らしたとある。適当な人材であろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿