2021年4月25日日曜日

吉田秀和『音楽を語る』(上・下)芸術現代社 1974、1975


評論家吉田秀和が大学生有志3人を相手に音楽入門とも言うべき話を、やり取りしながらした記録である。内容(目次)は次の通り。

音楽の入り方について/バロック音楽/バッハ/モーツァルト/ベートーヴェン/シューベルト/シューマン/ショパン/室内楽(以上上巻)オーケストラの伝統と文化/ワーグナー/ブラームス/ピアニスト/チャイコフスキーとロシアの音楽/日本の演奏家/ドビュッシー/マーラー/現代音楽/音楽批評(以上下巻)

対談で相手に講義する形であるから分かりやすい。相手の大学生も通を自認しているようであり、全く音楽を知らない相手との対談ではない。大学生らの意見は当時の音楽ファンの代表的とも言うべきであり、それを吉田が訂正と言うか自分の意見を言ったりしている。ここで話されているのは50年近く前の会話で、吉田にしてももし後年これを見返したら別の意見であったろうと思わせる。いずれにしてもやさしい音楽入門として現代でも読む価値はあると思われる。

0 件のコメント:

コメントを投稿