宗教史、というかこれまでの宗教の概説書である。この類の本はあまり読んでいないが、比較して云々でなく、本書は優れた書である。読みやすい、それでいて益するところが多い。読者に満足を与えると思われる。
取り上げられる宗教は三大宗教はもとよりヒンドゥー教、ジャイナ教、ユダヤ教、ゾロアスター教、儒教、道教、神道などに及び、キリスト教の各派に及ぶ。特徴は単にそれらの宗教の概説でない。宗教とは何かから始まり、宗教が人間にとってどういうものかという関心により叙述されている。時々あるような百科事典的に夫々の宗教を述べて終わりといった本でない。アジアで信仰されている宗教の説明に関しても極めて分かりやすく、キリスト教やユダヤ教などと公平に扱っている。
宗教は21世紀になって再び世界の大きな関心となってきている。こういう時期に読むのにふさわしい本である。
0 件のコメント:
コメントを投稿