2021年2月22日月曜日

読書の方法(媒体)の変化と人間

 読書をするなら普通は紙で製本されている、いわゆる本によるだろう。驚くべきことに本による読書は中国で紙が発明されてきてからずっとこれまで続いてきている。もちろんそれ以前に西洋ではパピルスとか羊皮紙といった素材が使われていた。ともかく素材が何であれ紙かそのもどきに活字や手書きで記された文字を読んできたのである。それが比較的最近(20世紀終わり?)になって電子書籍なるものが出現した。電子装置に文字情報を入れ必要に応じ読む、調べるといった使い方は前からあった。しかし電子書籍はまさに読書用に開発された、紙を使わない媒体なのである。だから印刷して製本する必要がない。その電子書籍に載っている書籍の作成費用は、従来の製本に比べ驚くほど安価になったはずである。

この電子書籍には従来から紙の本で読書に親しんできた層の一部(あるいは結構な割合か)は抵抗を感じているようである。自分も実は以前はそうだった。時々見かけた意見では、紙の書籍と電子書籍を対比させ、後者の方が「優れている」かもしれないが、自分は「遅れている」前者に愛着を感じる、と言い何か自己陶酔しているかと思われる文であった。つまり自分は新しい媒体にすぐ飛びつく軽薄な人間でないと。

実際使ってみると紙の本と変わらないところが多く、一方で相違点も当然ある。使わない人は食わず嫌いなのだろう。一番気になるのは、紙か電子媒体かの二者択一で考えているところである。紙と電子媒体では夫々特徴があり、共に利用すべきなのである。この二者択一思考が人間に強いのはなぜだろうか。

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