2020年8月13日木曜日

ムロディナウ『人類と科学の400万年史』 The Upright Thinkers 2015


 科学史の本である。数ある科学史の中でも読み易く、面白い本と言える。まず第一部では書名と同じ「直立する思索者たち」と題され、総論になっている。

第二部以降が科学史そのものである。第二部は「科学」、第三部は「人間の五感を超えて」である。現在の学問領域で言えば物理、化学、生物の諸科学がいかに発展してきたか、その発展に貢献した西洋人科学者たちの挿話が興味深く説明されている。ニュートンやアインシュタインについて多くのページが割かれているのは当然である。ただ電磁気学のマックスウェルについてはほとんど書かれていない。読者によって特定の科学者をもっと書けという感想は出てくるだろう。

日本についての記述がある。ラザフォードが原子の構造を明らかにするのが遅れたら、量子論の発展も遅れた。そうだとすると「原子爆弾の開発は遅れ、日本に原爆が投与されることはなく、罪のない大勢の日本人の命は救われたろうが、代わりに連合国軍の侵略によってたくさんの兵士の命が失われていたかもしれない」(本署p.329ここの部分はどう解釈すべきか。読者の問題になるだろう。

水谷淳訳、河出書房、2016

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