2020年8月8日土曜日

君死に給うことなかれ 昭和29年


 丸山誠治監督、東宝、100分、白黒映画、池部良、司葉子主演。戦時中に相思の男女が別れ、戦後に再会できるかという映画。

戦時中の病院から始まる。司は看護婦、池部は母が入院しており、その縁で知り合う。池部の友人の軍人は妹(若山セツ子)を嫁に貰ってくれと頼む。池部は司を好きになる。積極的に出て看護師としての司の仕事の邪魔をしても平気である。司は迷惑顔である。戦時中で個人の恋愛など全く御法度の時代だった。司が病院を辞め、田舎に帰るというと池部は追いかけて列車に乗る。途中で空襲に会う。別の貨車で行こうとすると池部に召集令状が来た。池部と司は再会を約束する。

5年後、戦後になる。司は郷里の広島で看護婦をしていた。自身は被爆していた。院長の志村喬の勧めで東京の病院へ治療に行く。病院で医師らの話を立ち聞きし、自分の病が重いと知る。池部はたまたま図書館で、遠くにいる司を見つける。追いかけるが、司は逃げる。

池部は広島の病院まで行き、志村喬に司の消息を尋ねる。当初は知らぬと言っていた志村も池部の熱意に負け、信州にいると告げる。

ようやく信州で池部は司に再会できた。もう離さないと池部は言う。その夜、池部は起きて司の部屋に行き、いないので捜しに出る。川で沈んでいた司を見つける。医師は大丈夫だと言う。池部は死ぬつもりならなんでもできると怒鳴る。これで二人は結ばれるだろう。

司の処女作で主演を果たした。当初予定されていた有馬稲子が病気で降板したので、代役になった。これには東宝幹部の他、池部良も努力したらしい。戦争を挟んだ男女の再会は他にも作られた。例えば高峰三枝子の『今ひとたびの』が思い浮かんだ。本作は作りが冗長ではないかと思った。特に戦後、池部が追いかけるのに司は逃げてばかりいる。自分が原爆症で結婚できないと思い込んでいるからなのだが、この辺りもう少し簡潔に出来なかったと思う。

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