2019年12月22日日曜日

美の祭典 Olympia – Fest der Schönheit 1936

レニ・リーフェンシュタール監督、オリンピア・フィルム、126分。
1936年第11回夏季オリンピック ベルリン(ドイツ)大会の記録映画の第二部。
第一部「民族の祭典」で記録された以外の競技が対象である。

競泳や飛び込みなど水上関係、馬術、クロスカントリー、体操、サッカー、ホッケー、自転車など。
当時は水泳が日本の得意競技とされていたようで、競泳で日本勢が多く出ており、西洋人で日本を破る様子が快挙と説明される。この大会で有名な、前畑秀子選手が優勝した平泳ぎは記録されていない。当時の日本公開時は、それを加えて放映されたそうである。

馬術は時間をとって記録される。ほとんどが軍人で日本の軍人も映される。軍人にとって馬術が必要な技能とされていた時代の反映である。障碍の柵を越えた後に池があるところでは、多くの騎手が転倒しずぶ濡れになる。骨折した選手もいた。完走は半数もいなかったとか。日本の軍人は前回のロサンゼルス大会では優勝したそうである。
最後は飛び込み。多くの映像が映し出される。名前も出さず、影のみで跳躍する姿が次々と出てくる。

本映画はオリンピックの記録映画、という以上に監督リーフェンシュタールの芸術を表現した作品という感がする。水泳でも水中で泳いで向かってくる姿、あるいは第一部のマラソンでも走る様子、足運びを上から本人が映した、という場面がある。編集でなければ不可能である。記録に徹すべきという観点からは批判が出てこようが、記録ならニュース映画で十分であろう。意見が色々ある。

0 件のコメント:

コメントを投稿