2019年12月27日金曜日

東京オリンピック短篇ドキュメンタリー選集 昭和38年から41年

国立フィルムアーカイブでオリンピック映画特集を上映するにあたり、過去の大会の記録映画以外に、東京大会に関し、当時製作された記録映画が4本(うち一本は白黒、あとは色付き)上映された。

オリンピックを運ぶ           昭和39
野田眞吉監督、輸送経済新聞社、41分。
オリンピックの輸送関係を担当した日本通運がいかにオリンピックに貢献したかの記録。外国からの馬や競技用のボート等を船や飛行機で運送してくる。またマラソン等の競技に使う標識の整備と設置及び撤去作業など、競技の裏方の奮闘ぶりが記録されている。
東京オリンピックはまさに国家的行事であったから、民間会社も精魂込めて協力した様が分かる。

ふたりの長距離ランナーの孤独         昭和41
野田眞吉監督、9分、白黒映画。
これはマラソン競技時にいきなり飛び込んできて、走者たちと走り出した一人の男を警備が捕まえ連行される様子がたまたま映像として捉えられていて、それを基にした映画。
多くの観衆が見守る街中での出来事であり、数十秒の白黒フィルムである。それを9分の映画にしているので、何度も何度も繰り返して放映される。英語による男と女の歌が背景に流れ、不思議な映画であった。

闘魂の記録 オリンピック東京大会を目指して               昭和38
西尾善介、山添哲監督、東京シネマ、35分。
オリンピックを目指して会場等の準備の様子、また選手たちの訓練に励む模様が記録されている。松下電器の企画映画であり、最初の方に若干ナショナルの宣伝めいた部分がある。
国立競技場及び高速道路が整備された。その証明の工夫は松下電器が担当した。別にコマーシャルの文句が出てくるわけでないが、服にナショナルのマークが入っているとかで分かる。
選手たちの訓練の記録の方が長い。基礎的総合的な体力をつけるため訓練に励む。最初に出てきたのは現在では廃止された兎飛び、次は上体起こし、これも今では腰を痛めると言われている。当時の日本の得意種目であった体操、レスリングなど。外国の選手らを招いて競技をした。最後に女子バレーボールでの激しい訓練の模様が映される。
昭和30年代であり、選手たちの体形がかつての日本人らしい。

オリンピックの街               昭和39
荻野茂二監督、27分。
オリンピック開催当時の東京であろう、街の様子を記録した映像。音楽は流れる。日本の唱歌など(歌詞はない)である。しかし説明、言葉は一切ない。音楽の背景で東京が映し出される。いかに当時がオリンピック一色に染まっていたか分かる。色付きで音楽も流れるのに言葉が全くない映像は珍しかった。

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