2019年3月31日日曜日

モラティン『娘たちの空返事』 El sí de las niñas 1806

スペインの劇作家モラティン(1760~1828)の代表作。

老紳士は独身であり、何とか裕福な彼と娘を結婚させたい母親の要望で、十代の若い娘と婚約する。娘には他に好きな男がいる。しかし母親に逆らえず受諾し、老紳士との会話でも彼の言いなりになっている。
老紳士には頼りにならないが、人のいい甥がいる。軍隊をサボっているようで、老紳士は叱る。早く軍隊へ戻れと命令する。実はこの甥が婚約者の若い娘と相思の仲なのであった。
甥は好きな娘に会うため戻ってくる。娘が会おうとする男が誰かを老紳士は見つける。それが自分の甥だとわかる。物分かりのいい老紳士は二人を娶せ、カネも十分に保証してやる。

主人公の老紳士は作者モラティン自身を反映しているという。モラティンも若い時恋が成就しなかった。自らの体験や思いが反映されている。

なお本作は以前『娘たちの「はい」』という翻訳名で出ていた。この旧訳は読んでいない。しかしこの訳名は心に残り、覚えていた。今回の新訳名は原題により忠実なのか、昔と差別化を図りたくそうしたのか知らない。ともかく昔の訳名は、印象深い題名であったと思う。昔の訳名を踏襲してもらいたかった気もする。
佐竹謙一訳、岩波文庫、2018

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