2019年3月20日水曜日

時計じかけのオレンジ A Clockwork Orange 1971

キューブリック監督、米英、137分。
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好き勝手に乱暴を働く不良グループ。その指導者である青年はベートーヴェンの交響曲第9番が好きである。
浮浪者の老人や、作家の夫婦に乱暴を働く。ついに中年女性の家に入り込んだ際、抵抗を受け、その女性を殺害する。刑務所に入れられる。

刑務所で新規の治療法を知る。それを受ければ短期間で出所できるという。青年はその実験治療を受ける。暴力的な映画を、有無を言わせず見せるのである。その間、ベートーヴェンの第9が流れている。この治療ですっかり青年は暴力性をはく奪され、何をされても抵抗しなくなる。釈放される。実家に戻るが親はむしろ迷惑顔である。かつての暴力グループの仲間がなんと今は警官になっている。彼らに会い暴力を受ける。逃げて入ったところはかつて自分が押し入った作家の家である。介抱して作家はやがて青年が自分らに乱暴を働き、そのせいで妻は亡くなった、その原因の男と知る。部屋に閉じ込め嫌いな第9をかける。頭が狂いそうになった青年は窓から飛び出し落ちて大けがをする。

怪我の治療を受けた青年。刑務所で行われた治療は非人間的と非難され政府は責任を問われている。青年に会いに来た野党の政治家は政府攻撃に彼を使おうとし、青年は快諾する。ベートーヴェンの第9が流されても今では何とも思わず、攻撃性を取り戻している。

久しぶりに観た。有名な作品で細部まで筋を覚えていた。しかし今回はかなり疑問を持った。一体この映画は何を言いたいのか。洗脳への反対、やっても無駄だとか、そんなことか。

しかしこの映画の後半で行なう奇妙な治療、こんな実験をやるわけないだろ、とまず思ってしまう。この実験治療がなければその後の話もないわけで、観ていられない。
もっとも映画製作当時はそれほど非現実的でもなかったかもしれない。また後の方でマスメディアや反対の政治家に非人間性を言わせている。しかし現在ではそもそも治療の実施自体ありえない。一つのたとえだと思えばいいと言われそうである。しかし後半は『フランケンシュタイン』のような空想科学映画に思えてしまった。

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