2017年12月22日金曜日

ビガース『幽霊犯人』木村毅文 昭和30年



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世界名作探偵文庫の一冊。中国人探偵チャーリー・チャンが活躍する探偵物のうち『支那の鸚鵡』の自由訳である。

高価な真珠の首飾りの取引が行われる。ハワイ警察のチャーリー・チャン警部がハワイから首飾りを運んできた。
宝石商の息子は買い手が指定した砂漠の牧場へ行く。買い手はニューヨークの金持ちだが急にその牧場を指定した。買い手に不審を持った宝石商はチャンに調査を依頼する。息子と一緒に牧場に向かったチャンは、その屋敷に召使いとして入り込む。
牧場を管理する支那人は鸚鵡を飼っている。その鸚鵡がいきなり「助けて、人殺し!」と叫ぶ。しばらくして鸚鵡は殺された。それだけでなく支那人の使用人も殺される事件が起こる。

買い手は宝石商の息子に真珠を早く取り寄せろと言う。息子はチャンと相談し、引き渡しをなるべく延ばす。やって来ることになっていた買い手の娘は行方不明になる。
最終的には、買い手はそっくりの悪党が化けた偽物とわかる。鸚鵡の泣き声は、買い手が悪党に殺されそうになった時の叫びだったのである。囚われていた買い手は助けだされる。

瓜二つの悪党とかご都合主義の感じがしてしまう。原作の完訳も、昔のハヤカワの文庫以外出ていないようである。
世界名作探偵文庫の中ではあまり面白い部類には入らないだろう。

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