ポセイドン・アドベンチャー The Poseidon Adventure 1972

 

ロナルド・ニーム監督、米の総天然色映画。ジーン・ハックマン主演。

いわゆるパニック映画の一つ。なぜかこの頃パニック映画が流行した。本作以外も『タワーリングインフェルノ』とか『カッサンドラ・クロス』とか。

なぜだろうか。石油危機の前後で経済的には十分うまくいっていて、今から思うとかなりいい時代ではなかったろうか。少し考えてもよくわからない。単なる流行か。

この映画は封切当時観に行った。何十年ぶりかの再見である。

結構幾つかの場面は覚えていた。またその像そのものが記憶と微妙に違うことはいつも経験していることである。

転覆した豪華客船の中で生き延びた少数がなんとかして安全な方へ避難しようとする。その理想的な指導者を演じているのがジーン・ハックマンで、まだ相対的に若く、以降の映画の印象とかなり異なる。彼の役の中でも最も正義漢ではなかろうか。

映画は80年代以降、かなり劇的に変化した。特撮かCGか知らないが、ともかく迫力満点の映像が見られ、話の展開もひねりをきかすようになってくる。それらに見慣れると70年代以前の映画は牧歌的と言いたくなるほどである。

これらのパニック映画はその中継ぎをしたように見えてくる。