2015年2月2日月曜日

任侠中仙道 昭和35年

片岡知恵蔵主演の次郎長もの、松田定次監督による総天然色映画。



この映画の特色は市川右太衛門が国定忠治で出てくるのである。しかも他の両雄出演の映画のようにどちらかはほんの少しだけ出演でなく、二人とも結構尺をとっているのである。

話の筋は忠治一家が信州へ行き、そこから米を不作の上州へ送り出す、その手助けを次郎長一家がするというものである。次郎長一家が錦之助の家で草鞋を脱ぐ。しかし錦之助は無類の博打好きで逆に次郎長一家の着物まで博打のかたに入れ、裸姿で旅立つという有様。次に大友柳太朗一家に泊まる。忠治一家は上州へ送る資金稼ぎのため賭場を荒らし金を奪っていた。新藤英太郎演じる悪のやくざは上州から娘を売りきている月形龍之介とつるむ。月形の奸計で忠治の名を騙って大友を斬る。次郎長は忠治に挑む。1対1で両雄は対峙する。この後誤解が解け米を上州へ運送する。しかし上州へ入ってから悪代官や月形らに奪われ、これを奪還に駆けつける忠治一家。更に大友の敵討ちとして次郎長一家も助けに馳せ参じ、立ち回りとなる。

次郎長と忠治の対決、協力とか正直考えると噴飯ものである。しかしながら東映の知恵蔵、右太衛門という二大俳優の配役であり誰も文句言えない。
 
次郎長を助ける大友が殺されるのは『任侠清水港』と同じだし、月形の陰謀で騙そうとするのは『風流使者天下無双の剣』と同じである。ネタの使い回しとか気にしない。ともかくスターの共演を楽しむ映画である。この年の正月映画で同年の邦画配収第一位だったそうである。

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