2015年2月22日日曜日

七つの宝石 昭和25年

佐田啓二主演の佐々木啓祐監督による犯罪・活劇映画、白黒、松竹映画。


元となった原作はルブランのルパンもののようであるが、設定は当時の日本でありルパンが出てくるわけでない。

タイトルは当時の東京の俯瞰風景を背景。低い家が多くたまにある相対的に高い建物、場所がどのあたりか現在では全く不明。大きな堀とそれにかかる橋が出てくる。埋立てが始まる前の風景である。

元華族が殺され、七つの宝石が奪われる。宝石には夫々一文字が書いてあり、これと図絵を合わせると宝物の隠し場所がわかるという。奪ったギャングも調べると宝石が紛失していた。この華族の家に出入りし宝石強奪事件に関心のある者は、殺された主人の友人である高田稔演じる中年と、佐田啓二演じる青年。

盗まれた宝石はギャングの一員である大阪志郎演じる麻薬中毒の男が横領しており、薬入手のため売っていた。個々の宝石の入手者はギャング団に見つかり奪われていく。調べ回っている佐田をギャング団のボスは消せと命じ、キャバレーで佐田とギャング団の格闘が行われる。そのキャバレーの踊り子は佐田に好意を持ち、危険なことはするなと諌める。

佐田はこの踊り子を使いギャング団の鍵を入手させる。一味の家に入り、ギャング団が取り戻していた宝石を奪い返す。元華族の家で佐田はこの宝石による宝の隠し場所の謎を解く。しかしその時ギャング団が闖入し佐田やその家の娘を誘拐していく。娘に対する脅迫で謎を吐かざるを得なかった。最後は宝の隠し場所である京都の滝で、ギャング団と警官の撃ち合いになり、ギャング団のボスの正体もわかる。

当時の貧しかった我国の雰囲気はよく見て取れる。ただし映画の出来となるとあまり上等とは言えない。昔のテレビの活劇物の感じである。最後の宝物は文字通り海賊船にあるような箱(ただし小さい)に入っていて、中身は首飾り等の宝石類である。突っ込みを入れたくなる映画は珍しくないが、これはその気も起きないくらいの出来である。

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