2023年10月14日土曜日

喜多川泰『運転者』ディスカヴァー・トゥエンティワン 2019

ファンタジーの形式による自己啓発本である。ファンタジーだから書いてある内容の「しくみ」に疑問を持ってもしょうがない。書いてある内容はもっともと言えようが、今更という感じがする。

読んでいて嫌なのは、主人公のセールスマンの男が本当に不快極まる男だからである。自分が客だからといって運転手に乱暴な口をきき、文句ばかり言っている。最初は20代のチャラい男かと思ったが、後で45歳の中年男だと分かりびっくりした。40代半ばでこれでは見込みがない。読んでいて一番驚いたのは、朝飯に何を食べたとか聞かれ「朝は・・・普通にご飯と味噌汁。それに納豆だったかな。そうだあとは卵とソーセージ」(p.185)という答え。こんな豪勢な食事などホテルに泊まった時くらいしか食べない。これで文句の塊のような主人公に本当に腹が立った。

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