2022年5月7日土曜日

静かなる凶弾 昭和34年

関川秀雄監督、東映、83分、白黒映画。

深夜の駅前、タクシーの運転手が乗ったまま、射殺されているのが発見された。この事件を志村喬の先輩刑事と若輩の高倉健が組となって捜査する。逃走経路は不明である。拳銃はベルギー製と分かったが、出所が分からない。拳銃が取り引きされるバーにやって来る男を調べたが、拳銃の場所は不明のままである。志村の娘役で中原ひとみがカトリック教会で知り合った技師と婚約をする。教会で山村聡演じる神父は話合いのなかで、犯人は車を持っていたのではないかと推理を述べる。タクシーの運転手かもしれない。

拳銃を使った容疑者が浮かび上がる。しかし拳銃はない。どうしたかと問い詰めると戦友に渡したと答える。その戦友とは中原が婚約している技師だった。志村、高倉は技師を訪ねる。技師は神父に拳銃を預けたとの答え。志村は山村に犯罪を隠していたと難詰する。山村はキリスト教の教えだからという。技師は拳銃の不法所持で逮捕される。心配する中原に、高倉はすぐに釈放されると言い残して、志村、技師と車で去る。

刑事役が志村と若手の高倉は、『野良犬』の志村、三船の設定をそのまま使っている。事件の捜査に加え、最後の方で犯罪と宗教の関係といった問題まで持ち出しているが、消化不良になっている。

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