2022年5月29日日曜日

警視庁物語 夜の野獣 昭和32年

小沢茂弘監督、東映、83分、白黒映画。

警視庁物語の中で初めての長尺、また画面も横長になる。丸ノ内線内ですりがあった。被害者は気が付き、後楽園の駅で降り犯人らを追いかける。駅そばの原っぱ(今の礫川公園の場所)で、追い詰めるが逆に刺殺されてしまう。明くる朝死体は見つかる。現場の捜索で女物の財布やイヤリングが見つかる。財布は地下鉄内ですられた品、またイヤリングは現場で浮気をしていた婦人のものだった。犯人はタクシーで逃げたらしい。タクシー会社に問い合わせてみても同時刻に客を乗せた車は見つからない。煙突タクシーではないかと見当をつける。煙突運転手のたまり場に刑事が変装して探りに潜り込むが運転手たちから偽者と気づかれ袋叩きで追い出される。すりの一人が殺された。多分、地下鉄内ですりを働いた男で自首するつもりを仲間に殺されたようだ。

ようやく現場から犯人を乗せたタクシーが分かった。下した場所で張り込むがなかなか容疑者は現れない。そこに住む容疑者の情人を警察に連行するが、口を割らない。釈放させ後をつける。また容疑者と思われる男をタクシーで後をつける。両方の刑事たちは日暮里のある家の前で落ち合った。そこがアジトらしい。逃げ出した犯人を追って格闘、ついに逮捕する。

全く警視庁物語は昭和30年代の東京の風景が主役である。この映画でも冒頭、後楽園駅前の今は公園になっている原っぱが現れた時は驚いた。古い区役所と思しき建物が見える。さすがに後楽園の昔のかまぼこ型の駅舎やその向こうに見える後楽園球場は分かったが。

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