2022年5月3日火曜日

終電車の死美人 昭和30年

小林恒雄監督、東映、91分、白黒映画。

後の警視庁物語の原型となった実録物刑事映画。終電車が三鷹駅で止まると若い女が死んでいた。他殺である。雨の中、刑事たちが駅に集まってくる。殺された女の身元も不明である。持っていたロケット内の男の写真と切符が手がかりである。やがて男が婚約者だと名乗りでる。これで身元が割れる。男が使い込んだ金の工面のため、不動産売却で手当てするつもりだったと分かる。列車に乗っていたのは女の他、男二人がいたそうだ。女が使った不動産屋(東野英治郎)が怪しい。しかし現場不在証明がある。一緒にいた男の一人は東野だった。あと一人は誰か。

不動産屋を刑事たちは粘り強く見張る。出入りしていた若い女がいてその亭主が事件の日以来行方不明になっていると分かる。この若い男を追う。東野にも逃げられる。東野と若い男は釣仲間で、使っていた品川その他、東京湾沿岸の釣り場を刑事たちは捜す。最後の場面は月島で東野が若い男を難詰する。なぜ殺したのか。金を寄こせと脅す。しかし若い男と喧嘩になり、最後に東野は殺される。残った若い男を逮捕までの活劇にある程度の時間を割いている。

撮影された当時の東京の街並みが分かってよい。月島その他、東京湾沿岸がまだ釣に利用されていた時代である。

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