2021年11月14日日曜日

39 刑法第39条 平成11年

森田芳光監督、松竹配給、133分。

若い夫婦が殺された。容疑者(堤真一)が捕まる。裁判で奇矯な言動をする。弁護士を演じる樹木希林は精神鑑定を要求する。鑑定人の助手が女主人公の鈴木京香である。精神鑑定を進めていくうち、容疑者の過去を探っていく。堤の、親との関係がよく分からない。また被害者の一人である夫の、少年時代の犯罪を知る。幼い少女の殺人である。被害者の兄がいた。その兄を訪ねる。情報は得られなかった。精神鑑定では二重人格とした。もっとも鈴木京香は疑問視していた。
その疑問は映画の展開で分かる。犯人である堤真一は実は別の人間だった。実際には、あの妹を殺された兄だったのである。犯人である少年は精神鑑定で刑法39条により罪を問われなかった。その犯人が今回の犯罪で殺された夫だった。
映画ならではの錯綜した筋で、いろんな要素がある。気になったのは登場人物が声を小さくしてよく聞き取れない。これも演出だろうが、字幕で観る場合は普通の映画と変わりなくなる。刑事役の岸部一徳がいつもガムをかんでいて見ていて不快だった。自分の妹を殺されて何がなんでも復讐しようとする心理は理解できるが、結婚なんかする余裕があったのかと思った。

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