2021年11月29日月曜日

馬賊芸者 昭和29年

島耕二監督、103分、大映、京マチ子主演。

第一次世界大戦後、間もない頃の福岡。馬賊芸者とは大戦による成金どもから金を巻き上げる芸者を指した言葉である。その一人、京は宴会の場で歌舞伎役者が踊る際の三味線役を断られた。すっかりこの役者に京は腹を立てる。役者の人気投票がある。普通なら首位になるのが、京を断った役者である。京はなんとしてもこの役者を首位にさせたくない。代わりに他の役者(高松英郎)を盛んに盛り立て、金をつぎ込み首位にするつもりでいた。しかし結果はやはりあの役者が首位だった。京は悔しくてしょうがないが、自分が応援した高松から求婚される。嬉しくてたまらない京は相手が巡業から帰ってくるのを待っていた。ところが相手が旅先で急死したとの連絡があり絶望する。

後になって座敷に出ていた時、高松にそっくりの人形師に出くわす。それで京はこの人形師にほれる。ところが後この人形師が、自分の妹分の芸者と将来を誓った間柄と分かり、怒り狂う。妹分を許さない気でいたが、一緒になれない二人は駆け落ちする。逃げた芸者を取り戻そうとする置屋に対して、京は金を金満家から借り、脅して納得させる。最後は志村喬演じる金満家の前で、踊りを踊る京。

映画としての出来はそれほどでもないが、途中、川沿いに福岡の祭りが見られ、また最後に志村が歌って京が踊る黒田節はいずれも見る価値がある。

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