2021年1月4日月曜日

ドストエフスキー『白痴』 Идиот 1868~1869

 ドストエフスキーの長編小説。ドストエフスキーの中では、思想的より芸術的と言われる作品。真実美しい人間として主人公ムイシュキン公爵を描こうとした。主人公ムイシュキンはスイスでの療養を終え、ロシヤに戻ってくる。そこで知り合った人々に率直に物怖じせず、自分の意見を言う。周囲の目を気にせず、正直にふるまうムイシュキンは周りから少し馬鹿ではないかと言われる。この馬鹿に当たる原語がIdiotである。極めて知能が低い状態も指すが、日常的には馬鹿という場合に使われる。白痴よりお馬鹿さんと言った方が小説の大部分ではふさわしい。もっともムイシュキンは実は洞察力が極めて高く、そういう意味では馬鹿と正反対である。恋愛小説の外観を取り、ムイシュキンと友人ロゴージンが美女ナスターシャを巡って三角関係となり、もう一方で、貴族令嬢アグラーヤとナスターシャがムイシュキンを巡る三角関係になる。善人のムイシュキンがロシヤの現実に放り込まれて、当然ながら上手くいくはずもなく最後は悲劇で終わる。

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