2018年4月25日水曜日

鞍馬天狗 昭和3年


山口哲平監督、嵐寛寿郎プロダクション、無声映画。

嵐寛寿郎の鞍馬天狗シリーズは有名である。第1作は昭和2年のマキノ・プロによる『鞍馬天狗異聞 角兵衛獅子』。上映された作品は、嵐がマキノを退社して興した嵐寛寿郎プロダクションの最初の作だそうだ。
無声で中間字幕は入るものの、その字体が独特(無声映画時代によく使われた)で、読みにくい。読めない場合が結構あったが、全部読めたとしてもそれだけで筋が理解できたろうかと思う。やはり弁士前提のつくりか。

前半では杉作少年が牢に入れられている天狗を救い出そうと水から忍び込むところ、また女が銃で駕籠を狙う(間違った男を撃ってしまう)などが記憶に残る。後半はなんと言っても屋敷及びその庭での大立ち回りであろう。長尺で迫力ある。戦後の殺陣とはかなり違う。嵐寛寿郎が若い(当然だが)。役者は歌舞伎のスタイルを真似て、かなりあくどい化粧をしている。

国立映画アーカイブでは、先立って『鞍馬天狗 鉞組暗躍篇』昭和9年が上映された、といっても一瞬といっていいくらいの断片である。斬り合いする天狗、それを見ている男が出てすぐ終わってしまう。最初、間違いで上映を止めたのかと思ってしまった。

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