2018年4月26日木曜日

エノケンの近藤勇 昭和10年


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山本嘉次郎監督、P.C.L.製作。

エノケンが近藤勇と坂本龍馬の二役。新撰組と勤王方の斬り合いから始まるが、エノケン近藤勇は高下駄を履くと強くなるという設定。高下駄を持ってくると相手方にそう言わせている。ポパイのほうれん草みたいなものか。

坂本龍馬をやる時のエノケンは眼鏡をかけている。近江屋で殺される際、中岡との会話が長いのは前日同じ国立映画アーカイブで観た坂本龍馬ものと同じ。
歴史に題材をとった挿話が多いが、近藤の部下の若い侍(女が演じている)が、芸妓を好きになる話がある。そのため何かと近藤は面倒を見る。最後にはその若い侍は、彼を辻斬りと間違えた新撰組同士を倒し、二人は悲劇的結末を迎える。この部下について残されている話を脚色している。その場から近藤たち新撰組は池田屋へ急襲する。
池田屋では、新撰組が来る前、ボレロが流れる中、女中たちが膳をバケツリレーのように渡していく有名な場面がある。新撰組が乗り込んでからは大立ち回りとなる。

台詞や手紙で英語を使うとか、当時の世相を反映した名前や言い回しが結構出てきて、その事情に疎いと当時の観客のように観られない。
部下の悲劇の挿話は本筋とは関係ないが、喜劇に悲劇的な話を入れると感慨深くなる場合がある。正直、今まで観たエノケンの映画はたいして面白いとも思わなかった。最近の喜劇に比べ戦前のものという感じであった。しかし期待が低かったせいか、本作は面白いと思った。

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