2017年8月18日金曜日

引裂かれた処女 昭和43年



西原儀一監督による葵映画、香取環主演。

大部分は白黒だが、一部、性行為の場面が二個所総天然色になる。
バーの若いホステスが客から求婚される。中々結婚できない職業なので仲間から祝福される。一人だけ以前2回ほど騙された経験のある女は冷やかである。
男に連れられ田舎に行き、両親に引き合わせるとして旅館に着く。男に薬を飲まされ眠る。実は買春組織による人攫いだったのである。女は処女だったので重宝される。薬物中毒にされて買春を強いられる。

後に盲目でやはり処女が連れてこられる。その女はすぐに自殺してしまう。年増の同僚が組織の男と部屋を出た際、鍵をかけないままにしておいた。そのため女は逃げ出す。温泉街のような街を抜け、岩石原を上ろうと試みる。しかし薬が切れて禁断症状になり、結局組織に連れ戻される。指を詰めろと迫られる。その時女を元々騙して連れてきた男が代わりに指を詰める。
更に男は監禁されていた女を救い出し、共に逃げる。もちろん組織は二人を追う。森の中の川端で女はこれからどうすると男に問う。組織の銃はもう狙っていた。向かい合った二人を映し、映画は終わり。

上映当時は成人指定の映画だったそうだ。肌の露出など大したことなく今ならテレビでも放送できるのではないか。
最初に書いた二個所色つきになるところは、最初の客との場面と、年増が森の中で男との行為するところ。こういう方法が、当時の見せ方だったのであろう。
いわゆるポルノ映画、アダルト映画などでなく、悲惨な境遇に落とされた女の悲劇といったものである。

フィルムセンターの映画人追悼特集で上映。主演の香取環の追悼なのだが、彼女はピンク女優第一号とも呼ばれていたそうだ。途中で出てくる盲目の女役は白川和子で、彼女は香取の付き人だったそうだ。さすがに白川が日活ロマンポルノの初女優とは知っていたが、香取の名は今回初めて知った次第。

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