2022年7月29日金曜日

七つの弾丸 昭和34年

村山新治監督、東映、89分、白黒映画、三国連太郎主演。

三国が新橋の銀行前で銀行強盗をする計画を立てているところから映画は始まる。かつては新聞社に勤めていたが学歴詐称がばれそうになって辞める。神戸の友人を訪ねたところ不在で相手も失業中と分かる。炎天下を歩いているうち日射病にかかり派出所で寝ていた。隙を見て警官の拳銃を奪い取り銃撃して逃げる。この銃により他の土地で強盗を働く。これで金が入ったので顔見知りの女医といい仲になって豪勢な暮らしをしていたが金が尽きたので銀行強盗を企んでいた。

強盗に使う車を調達するためタクシーに乗る。郊外に行きそこで車を奪うつもりだったが、運転手が逃げ出したので撃ち殺す。銀行前の派出所には田舎から出てきて昇進試験の勉強に余念のない警官がいた。そこに落し物があったと称し入り込み、その警官を部屋に閉じ込め射殺する。そのまま出て隣の銀行に殴り込みをかける。騒いで金を取ろうとしたとき、大金の袋が目につく。それを守ろうとした銀行員を射殺し、金を奪って逃げる。この銀行員は数年前、弟が神風タクシーに轢かれて亡くしており母と二人暮らしだった。婚約者がいて結婚するつもりだったが、母が結婚式を見栄で贅沢にするため田舎の財産を処分しようとするので言い合いになっていた。銀行から逃げた三国はタクシーに乗り銃を突き付けて逃走する。このタクシーの運転手(伊藤雄之助)は元々いい加減な男で、煙突タクシーで荒稼ぎをしてタクシー会社を渡り歩き、田舎に妻子がいるのに若い女と同棲していた。事故を起こして妻が助けてくれたので心を入れ替えるつもりだった。多くのパトカーが追いかける中、逃げるタクシーで運転手がごまかして動けないと言い出したので、この運転手も殺す。車から逃げ草叢で銃を撃つがもう弾がない。これで警官隊に逮捕される。

映画ではその1年先、三国が死刑になった頃、被害者たちの消息がある。二人の息子を亡くした母親は狂っていた。婚約者の銀行員を亡くした女は結婚相手を見つけていた。タクシーの運転手の妻は店で万引きをして捕まる。

映画の内容とほぼ同じ事件が映画製作の1年前に大阪の東海銀行支店で起きていた。それを基にした映画である。

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