2019年11月25日月曜日

仮面の米国 I Am A Fugitive From A Chain Gang 1932

マーヴィン・ルロイ監督、米ワーナー、93分。些細な犯罪で刑務所送りとなった男の人生。

第一次世界大戦から帰還した男は今までの工場勤めに飽き足らなく、新しい仕事を求めてあちこちへ行く。しかしどこでも仕事はない。たまたま声をかけられた者について行く。ハンバーガー店で恵んでくれと連れは頼む。その後、銃を出してカネを出せと脅す。カネを持っていたところを警察がやって来て連れは殺され、男は逮捕される。
刑務所に入れられる。長期間懲役に耐えられず脱走する。警察は追うがからくもシカゴへ着く。仕事を見つけ精を出すので次第に昇進していく。下宿屋の娘に惚れられる。男はその気がなかったが、彼が脱走犯と知っていたのでやむなく結婚する。男は管理職に就くまでになるが、浮気な妻に手を焼く。若い女と相思の仲になる。

男は遂に警察に捕まったが、これまでの男の社会への貢献がある。善処が出来ないか、弁護士その他、彼を支援する者たちの声が世論となる。警察は半年間だけ刑務所に服役すれば、完全に晴れて自由になると約束する。男は恋人と相談し、その条件を飲む。
刑務所に戻る。ところが半年経っても釈放の許可は下りず、その後もだめで、とうとう無期を言い渡される。男は再度脱走する。
かなりの期間が経ってから男の恋人は夜、声をかけられる。あの男である。男は別れを言いに来た、これまで危険で来られず、今後も逃げ続けるしかないと言って去る。

随分、米映画にして暗い終わり方である。当時の警察や司法への批判もあるかもしれない。男が逃げて社会に貢献し出世するあたりは、ユゴーの『レ・ミゼラブル』を思い出す。

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