2019年11月8日金曜日

三島由紀夫『戦後日記』 中公文庫 2019

三島に戦後日記という名の著作があるわけではない。『小説家の休暇』『裸体と衣装』など多くの作品から、日記に当たるところを集め、歴史順(昭和23~42年)に編集したものである。

三島自身の日常の記録ももちろん興味がある。しかしながら本書は三島の芸術論、演劇論などが特に面白く、別に三島のファンでなくても読む価値は十分ある。評論家として三島がいかに優秀であったか、よくわかる。『文化防衛論』のような政治主張にはついていけない人も本書なら興味深く読めるだろう。
三島の著作を全く読んだことがない者に面白い作品を訊かれたら、本書を推薦してもいいかもしれない。本書読了後、三島の小説を読んだら(作品によっては)本書ほど面白くないと言われそうである。
最近の読書の中でも読む価値があると思った著作である。

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