2023年8月16日水曜日

バルザック『ユルシュール・ミルエ』 Ursule Mirouet 1841

ミノレ博士は資産家で田舎の屋敷に戻ってくる。彼の養い子、身内にあたるが私生児である若い娘、ユルシュール・ミルエを溺愛している。博士の親戚である村の者たちは莫大な財産がユルシュールに取られないか、やきもきしている。

ユルシュールは若い男と相愛の仲である。男の母親は貴族として自尊心が高く、ユルシュールの出自を許せないと二人の結婚を認めない。博士は老齢で死にかけた時、初めてユルシュールに財産のありかを話す。それを陰で隠れていて聞いていた親戚の男は、早速その証書等を着服し財産を自分のものとする。

無欲なユルシュールは特に気にもかけないが、盗んだ男はユルシュールが気になってしょうがなく、村から追い出そうとする。男と一緒にその企みにのった男は、ユルシュールに味方する司祭らによって悪事をばらす。ユルシュール方の者によって、盗んだ男の息子にも罪が及びそうになる。ユルシュールは罪を追求するつもりはなかったのだが、男の息子は事故によって無残な死に方をする。母親も精神がおかしくなった。盗んだ男は財産を返し、心を入れ替える。ユルシュールは愛する男と結婚し、幸福になる。(加藤尚宏訳、水声社、2007)

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