2015年8月31日月曜日

ティボー『ヴァイオリンは語る』 Un violon parle 1947

20世紀前半のフランスの代表的なヴァイオリン奏者ジャック・ティボーの自伝的回想。

ティボーはボルドーの音楽家の息子として生まれた。ティボー自身は最初ピアノを習っていたそうだ。兄弟が何人かいてヴァイオリンを習っていた兄は少年時代に夭折してしまう。兄からヴァイオリンの手ほどきを受けていたジャックは兄の死後、父の前でヴァイオリンを弾き、驚かれる。
 
その後有名なヴァイオリン奏者からも絶賛され、パリの音楽院で学ぶ。とびぬけた才能によって余裕ある順風満帆な生活をしていたわけでない。暮らしのためティボーは場末の音楽団で色々な音楽の演奏をする。それが勉強になったと語っている。

本の題名にあるようにティボー自身はヴァイオリンによって何でも語ることができる、むしろ言語の方が不便だと言っている。いかにも天性の音楽家ならではの言である。

また動物に音楽がわかるのか、効果があるのかと思い、様々な動物の前で演奏を試みているのも面白い。
粟津則雄訳白水社1992

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